9. 双極性自分探し(自己認識)
双極性障害II型寛解で、社会復帰にゆるやかにチャレンジしているsakuの体験記です。
前回の記事、8. 双極性仕事探し - 双極性社会復帰で
面接では「双極性障害II型を持っている自分」というアイデンティティを強く意識しすぎなかったのが良かったのかもしれません。
と書きました。
これは面接や仕事探しだけでなく、普段の生活や、将来のことや、家族や、友人関係や、恋愛のことを考える時もそのように考えるように心がけています。
(…)病気になったことが私の人生を代表する出来事ではないからです。
私の人生は、夢を叶え、時に苦しみもがき、
愛する人に出会い、
2人の宝物を授かり、家族に愛され、
愛した、色どり豊かな人生だからです。
だから、
与えられた時間を、病気の色だけに
支配されることは、やめました。
と言う心打たれる箇所があります。
当時も読んでいましたがそのときは自分事ではなく「懸命に前向きに生きる彼女のこと」として捉えていました。
けれども、時にはだるい体を引きずり後ろ向きな思考で、時には自分の能力を最大限に引き出してコントロールできているような充実感を感じながら、仕事を探し、業務をこなし、いろいろな人たちと接し、将来のことや周りの人について思いをめぐらせ…小林麻央さんの寄せた言葉から2年半ほどがたった今、双極性障害II型とともに生きている自分がこの言葉に救われていることに気がつきました。
わたしの人生の航海の終わりはどのぐらい先にあるのかは分かりませんが。
わたしがわたし自身をとらえるとき、
わたしは料理が好きで、
わたしは映画が好きで、
ヨーロッパの文化や建築が好きで、
犬が好きで、
服が好きで、
好奇心旺盛で、
理屈っぽくて、
文章を書くことが好きで、
おいしいお店を探すことが得意で、
知性豊かで大らかな友人たちに囲まれていて、
心配性の親がいて、
地理感覚はあまりなくて、
金銭感覚もあまりよろしくなくて、
目立つことが苦手で、
片付けが苦手で、
田舎者コンプレックスがあって、
くせっ毛で、
敏感肌で、
体力があまりなくて、
双極性障害II型を持っていて、
躁うつの波を頑張ってサーフィンしている
こんな感じ。
時々、調子がそれなりに良くて、わたしの双極性障害のことを知らない人といるときや何かで楽しくてたまらないとき、誰かといい時間を過ごせているとき、病気でいることを本当に忘れてしまうことがあります。
そんな風に感じられることはとても幸せで、他の彩りに目を向けることができているかけがえのない瞬間なのでしょう。
そしてそんな瞬間を時々思い出すことができたのなら、自分自身をもっと受け止められる、そんな気がするのです。